羊毛フェルト【にじたま屋】

羊毛フェルト「うちの子」オーダー専門店

クレームが来ない説明文の作り方

羊毛フェルト【にじたま屋】作家のきたがわたけしです。

このブログは、ハンドメイドや羊毛フェルトを「仕事」にしたいと本気で考えている人に向けて、実際に羊毛フェルト一本で生計を立てている僕の「生の情報」を発信しています。

こんにちは。【にじたま屋】きたがわです。

前回、作品を販売する時に「商品説明」や「注意事項」で、「素人の作るハンドメイド作品である事をご理解いただき…」なんてフレーズは使ってはいけない!という話をしました。
👇前回記事はコチラ

nijitamaya.hatenablog.com

 

 
 
今回は、「じゃあ、どうすればいいのか?」について話します。

凄く重要な話だからハンドメイド販売をやっている人は、最後まで読んでください。

 

作品を「売る」という事

僕たち作家が「作品を売る」という行為は、お客さんに「価値」を提供するという行為だ。
あなたの作品に「価値」を感じて「素敵!欲しい!」と思ってくれた人が、その「対価」としてお金を支払ってくれる。

商品やサービスには「価値」があり、その価値に対して消費者が「対価」を支払う。
この考え方は、ビジネス全般に適用される基本的な原理だ。

そして、商品・サービスを「売る」という行為には「価値を提供する責任」が伴うという事だ。

僕たち作家は、その「責任」を正しく理解していなければならない。

ハンドメイドのイメージを下げているのは作家

前回の記事でも触れたが、ハンドメイド販売に限らず商品・サービスを提供するなら「3つの責任」が生じる。
「遂行責任」「説明責任」「賠償責任」だ。

この「3つの責任」を理解すると、「素人の作るハンドメイド作品である事をご理解いただき…」という説明が、ただの「責任逃れ」だという事が分かるはずだ。

どんなに頑張って素敵な作品(価値ある商品)を作っていても、このフレーズを入れることであなたは自分の作品(商品)の価値を下げている。
そして、それだけではなく「ハンドメイド全体のイメージ」も思いっきり下げているのだ。

世間では「ハンドメイド」というと「職人が作る一点物」といういうより、「素人」「手芸」「手作り」という「なんだか安っぽいイメージ」で定着している。
そりゃそうだ。自分たちで一生懸命「素人の作るハンドメイド作品である事をご理解いただき…」なんて説明しているのだから…

ハンドメイドのイメージを下げているのは作家だ。

クレームが来ない説明文の作り方

前の記事で「クレーム」について話したが、クレームが来るのは「期待していたものと違う」という残念な思いをさせてしまうからだ。

これは商品説明で、無駄に期待させる様な余計な説明をしているか、逆に必要な説明が不足しているかのどちらかだ。

「無駄に期待させる様な余計な説明」とは?
お客さんをワクワクさせたくて、必要以上にキラキラした無駄に期待させるような内容にしていないだろうか?
もちろんワクワクさせることはとても大切な事だ。
しかし、お客さんが「どの様に想像するか?」をイメージせずに書いていると逆効果だ。「無駄に期待させる」ことになってしまう。

「必要な説明が不足している」とは?
お客さんに必要な説明をしているだろうか?
「~の素材は高級な…」みたいな、「素材」について一生懸命説明しいる人が多いが、最悪だ。
素材や成分の話をされてもお客さんはワクワクしない。そんな説明どうでもいい。

では、どうすればいいのか?
クレームが来ない説明文の作り方は「確実に提供できる価値(自分が約束出来る事)」を明確にする事だ。

もっと分かりやすく言うと、自分の作品のマイナスポイントを伝えておくこと。「何が出来て、何が出来ないか」をはっきりと理解してもらうという事だ。

例えば僕のオーダー作品なら、こんな感じで「自分が約束出来ない事」を注意事項で説明してる。

【注意事項】
■可能な限りリアルに再現しますが、クローンの様に瓜二つに作製する事は出来ません。完璧な毛色、模様、骨格、体型…等々、細部まで忠実な再現をお求めになられる方の願いは、僕の技術では叶えてあげる事はできません。ご依頼の際は、僕の提供する技術・作品クオリティで納得の上ご依頼ください。
■作り直しに近いような大がかりな修正は出来ない場合があります。
■ぬいぐるみの様に抱いたり持ち歩いたりすることはお勧めしません。
■キャンセルの際、予約金はキャンセル料として頂きます。
■オーダー品という特性上「作成開始後のキャンセル」は出来ません。
■作製予定日はキャンセルや進捗状況により変動する場合があります。

僕の場合はオーダーメイドなので、もちろん、この説明だけで終わる事はない。やり取りの中でお客さんの求めているもの、希望、不安などを聞いて「確実に提供できる価値(自分が約束出来る事)」と「出来ない事」を明確にして、お互いが納得できている状態でオーダーを受けている。

ショップの作品(商品)を直接購入してもらうような販売方法の場合は、商品説明の中で明確にしておく必要がある。

ここで最も重要な事は「お客さんの立場で考える」という事だ。
商品説明で、無駄に期待させる様な余計な説明をしていたり、逆に必要な説明が不足してしまうのは作家の立場で考えているからだ。

もっと言うと「売ろう」としているから、お客さんの思考・行動を見落としている。
「売ろう」としてはいけない。「どうやったら買ってもらえるのか?」を考えるのだ。

すると、マイナスポイントがあってもお客さんの「ワクワク」はそのままで、商品価値を下げる事なく、確実に価値を提供して対価を頂く事が出来る。
こちらのミスがない限り、商品に対するクレームなんて来る事は絶対にない。

実は、この注意事項も僕自身が「無駄に期待させてしまった経験」を基に、「説明責任」を果たせる様に、何度も何度も作り直しているものだ。

最後に

今は誰もが簡単に自分の作品を販売することが出来る。

これはクリエイターにとってはとても喜ばしいことだが、その反面「作品を売る」という行為、そしてそこに生じる「責任」を正しく理解していない人も作家と名乗って活動してしまう。

ただ、これは防ぎようのない事だ。
でも、こういった事を放置していると、ハンドメイド全体の価値を下げることになる。

防ぐことが出来ないなら変えていくしかない。

もし、あなたが「素人の作るハンドメイド作品である事をご理解いただき…」なんて説明を使っていたのなら、この記事を読み終わったらすぐに変えるべきだ。

その行動が未来を変える。

一人ができる事なんて小さなことだ。
でも、その小さな一つがなければ大きくならない。

自分達が活動している場所を、自分達で汚してはいけない。

最後まで読んで頂きありがとうございました!

 

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